常念山脈(長野) 前常念岳(2661.9m)、常念岳(2857m) 2022年11月19日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:04 三股駐車場−−3:17 三股−−5:08 2170m肩−−6:24 前常念岳−−7:14 常念岳 8:00−−8:34 前常念岳−−9:24 2170m肩−−10:14 三股−−10:24 三股駐車場

場所長野県安曇野市/松本市
年月日2022年10月29日11月19日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場ゲート手前の三股に車場場あり
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば文句なしの大展望
GPSトラックログ
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コメント絶好の好天予報で常念岳へ。思ったよりも積雪は少なく気温も高めで快適に歩けた。三股駐車場には8割程度の入り(おそらく50台以上)だったが常念岳ですれ違った登山者は9名だけであった


常念岳から見た穂高連峰〜槍ヶ岳。やっと白さを増してきたが例年の11月後半の積雪量とは思えない少なさ


三股駐車場。午前3時で20台程度 三股から常念岳方面へ
標高1650m付近で初めて雪を見るがその後は長く無し 雪が続くようになるのは2170m肩以降
午前5時半の東の空。僅かに赤くなり始める 森林限界目印の梯子
標高2560m付近。南斜面には雪は無い 前常念岳の一等三角点
前常念岳から見た常念岳。稜線にほとんど雪は見えない 前常念岳から見た大天井岳方面。こちらもほぼ雪無し
午前6時半ちょっと前に雲海から日の出 北斜面に入ると雪が増える
常念乗越。ほとんど雪が無い 朝日で赤く染まる
標高2780m付近の北斜面。獣の足跡が多数あり 縦走路に合流。思ったより雪が少ない
常念岳山頂 常念沢に続く獣の足跡
常念岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
常念岳から見た後立山
常念岳から見た鹿島槍付近の拡大
常念岳から見た頚城山塊。妙高山はまだ白くない
常念岳から見た奥日光。写真加工で強調しているが実際には霞んでほとんど見えなかった
常念岳から見た恵那山〜木曾御嶽の間。主に阿寺山地が連なっている
常念岳から見た南アルプス(クリックで拡大)
常念岳から見た蝶ヶ岳に続く稜線 常念岳から見た蝶ヶ岳と蝶ヶ岳ヒュッテ
常念岳から見た白山 常念岳から見た槍ヶ岳
常念岳から見た木曾御嶽と乗鞍岳 常念岳から見た立山、剱岳
常念岳から見た針ノ木岳と燕岳 常念岳から見た浅間山
下山開始 常念乗越方面の縦走路にも人影無し
前常念岳へ続く尾根 最初にすれ違った男性
避難小屋で2人目とすれ違う 避難小屋から急な下り。風がブロックされ暑くなる
3人目とすれ違う 4人目とすれ違う
5人目とすれ違う 2170m肩。3人パーティーが休憩中だった
倒木。処理は来年夏かな 三股
体力に自信がない人は常念岳に登らないような気がするが・・・ 日影の落ち葉は霜が降りたまま
林道終点。車はいない 林道途中の中部電力の車
取水関付近の車 三股駐車場。8割くらい埋まっていた
1月まで工事が続くようだ。土曜日はやっていなかた


 今週末は日曜日は下り坂だが土曜は丸一日好天が続く予報。先週末から大きな天気の崩れは無く、特に北アルプス南部で積雪はほとんど増えていないだろう。常念岳に手軽に登るチャンスは今年最後になりそうなので、常念岳に向かうことにした。ルートは三股。これは一ノ沢ルートでは水が多く、標高が上がると濡れた石が凍った箇所が多くなりアイゼンが必要な場面が早くからある反面、水が無い多くの場所ではアイゼンは不要であり、アイゼンの脱着が何度も必要になると予想されたからだ。三股ルートは水が無いのでアイゼンが必要なのは本格的に雪が登場してからで、何度も脱着することはないであろう。

 ネットで午前8時の標高3000mの予報を見ると気温は-1℃、風速は5m/sで初冬とは思えない穏やかさであり、金曜日も好天だったので南斜面の雪はかなり減っていることだろう。

 金曜夜の三股駐車場は驚いたことに駐車している車はゼロで、これは初めての経験かも知れない。夏場なら木陰になる場所に駐車するが、今の時期は逆に日中に日当たりがいい場所を選んで駐車。帰りに車に到着したら車内が温まっている方が快適だからだ。酒を飲んで寝ていたら夜中に徐々に車が上がってきて隣にも駐車。やはりすぐ隣に駐車してゴソゴソやられると音が気になって安眠が妨げられるがしょうがない。夜中3時には20台位が上がってきていた。

 出発は午前3時として山頂到着は午前7時過ぎを計画。私の足では無雪期の所要時間はほぼ4時間であるが、今は多少の雪があるはずなのでスピードが落ちて夏場よりは時間がかかるであろうから4時間半くらいであろうか。これは雪の状態で変わるので正確な予想は難しい。今回は軽アイゼンの他にストックを持つことにした。今回のコースは花崗岩が積み重なった区間があり、ここに雪が乗っていると特に下りで滑りやすく、バランスを取るのにストックがあった方がいいと判断したからだったが、実際には全く使わなかった。

 真っ暗な林道を歩いて三股で常念岳方向へ。ここには体力に自信がない人はルート変更するようにと書かれた注意喚起の標識があるが、常念岳に登るのに体力に自信がない人が挑むのかはちょっと疑問。ただし、標識を設置するほどなので疲労で動けなくなり救助要請する人が本当にいるのであろう。おそらくそんな人達は経験が浅い初心者であろう。

 尾根下部は落ち葉に覆われるが少し高度を上げるともう落ち葉は無い。樹林の隙間からは星と町明かり。上空は良く晴れている。本格的な登りが始まる三股から数分で体が温まって半袖に変身。この時期にこの格好で登れるのだから今日は気温は高いと言えるだろう。また、この時期は晴れた夜は放射冷却で冷えた空気が盆地の底に溜まるので、高度を少し上げた方が気温が上がることがある。

 ジグザグに登っていき2170m肩を通過して雪が登場するが、まだ樹林帯の中なので積雪は1cmにも満たない。明瞭な足跡が残っているが今日の先行者のものではなく昨日以前のものだろう。頭上の樹林が開けた場所では数cmの雪が積もっていた。2170m肩以降の水平な尾根の区間では所々で泥沼状態だが、今の時期はそれがほぼ凍結して真上を通っても大丈夫であった。

 森林限界境界にあるアルミ梯子に到着する頃には東の空が赤く染まり始め、一面の雲海に八ヶ岳、南アルプスがくっきりと浮かんでいた。予報通りの好天である。今の時期の日の出は午前6時半くらいなので日の出までまだ1時間弱ある。

 森林限界に出てからはほとんど南斜面を登るので雪は全く無かった。この急斜面と花崗岩の重なった場所で半端な雪があると面倒なので雪が無いのは有り難い。西には白くなった穂高が顔を出すがまだ真っ白と言えるほどの積雪量ではない。樹林帯を抜けると僅かに風が出てくるが、いくらこの時期にしては気温が高めとはいえ気温はおそらく0℃前後であり、半袖のままでは寒さを感じるので腕カバーを着用してネックウォーマーも追加。稜線に出たらもっと風が強まるだろうから防寒装備の追加となるだろう。

 日の出の前に前常念岳を通過。北寄りの風がややあって体感温度が一気に下がったので長袖シャツにウィンドブレーカ、フェイスマスクを追加した。顔に風が当たると頬が痛いくらいに冷たかったのでフェイスマスクの選択は正しかったようだ。

 前常念岳を通過して傾斜が緩むと常念岳山頂が見えるが、そこまでの稜線は雪はまだ少ないようだ。全く雪が無いわけではなく花崗岩の日影になる場所に雪が残っているが、ちょうど岩と岩の間の凹んだ場所に雪があり、岩の隙間の穴が雪に覆われているので下手に雪を踏むと足がズボっと嵌ることがあって捻挫の危険があるので、できるだけ雪の上に頭を出した岩の上だけを歩くようにした。沢沿いと違って岩が凍った氷の薄皮で覆われているようなことは無かった。稜線から見える大天井岳までの稜線にもほとんど雪は無かった。雪があるのは主に尾根の北側で、そこには先人の足跡の他に多数の獣の足跡が付いていた。登山道が尾根の南側に移ると雪はすっかり消えていた。

 大きな岩の南側を巻いて尾根北側に入って縦走路の合流ポイントで軽アイゼンを装着。3週間前の状況からしてこの先はアイゼンがあった方が格段に歩きやすいと判断したからだ。実際にこの先は北斜面で踏まれた雪面が連続し、アイゼン無しでも歩けることは歩けるが滑りやすいので歩行スピードが低下する状況であった。

 山頂直下で登山道が西向きに変わって無人の常念岳山頂に到着。山頂の大きな花崗岩上には雪は無く、ここだけ見ると冬っぽさが薄いが北寄りの風は非常に冷たく、西側の穂高から槍ヶ岳は3週間前よりも白くなっていた。山頂南側に下って風を避けながら防寒装備を着込んでから写真撮影。今日は日本海側も天気が良く立山、剱岳、後立山にも雲はかかっていなかったが、東側の雲海の高さが高くて志賀高原の山々は全て雲の下で見えているのは浅間山だけであった。南の雲海は少し低いようで八ヶ岳、富士山、南アルプスと深南部はすっきりと見えていた。中央アルプスから西側は雲海は無く阿寺山地が良く見えていた。

 蝶ヶ岳への稜線には僅かに雪が付いているが、その上には明瞭なトレースが見えた。デジカメで蝶ヶ岳山頂部を拡大するとテント場にテントは無く山頂付近に人影はなかった。蝶ヶ岳ヒュッテの今年の営業は終了しているので当然だろう。

 無人の山頂で風を避けながら日向ぼっこしてしばし休憩。下山開始までに他の登山者が上がってくるだろうかと北に続く登山道を時折見たが、最後まで無人のままだった。この時期にこの時刻に上がってくる登山者はいないのが普通らしい。

 午前8時に下山開始。その直前から東の雲海が徐々に下がってきて鳥居峠の向こう側に微かに奥日光の山々が見えるようになったが、デジカメを向けても液晶画面では山並みが分からないほど薄くしか見えていなかった。

 アイゼンを装着したまま歩き出し、前常念岳への尾根に入って適当な場所でアイゼンを脱いだ。途中で単独男性とすれ違ったが蝶ヶ岳周回予定とのこと。次に登山者とすれ違ったのは前常念岳の避難小屋で、森林限界を割るまでの花崗岩混じりの急な下りで2人とすれ違った。前常念岳を通過して南斜面に入ると風がブロックされて日差しもあって温かくなり、しばらくして半袖に変身した。3週間前はここでは暑さを感じるくらいであった。

 梯子を下りて森林限界を割ってさらに2人とすれ違い、今日最後にすれ違ったのは2170m肩で休憩していた3人パーティーであり、合計9人とすれ違った。ということはこの日に前常念経由で常念岳に登った登山者は私を含めて10人だったわけだ。先週の鹿島槍よりは多いが夏のシーズンの1/10程度ではなかろうか。

 2170m肩以降のジグザグの下りではすれ違う人はおらず淡々と歩いて三股へ。ここも無人で林道終点から最後の林道歩き。林道の途中ではこれまで見たことがなかった駐車中の車が3台もあった。中部電力の車があったので発電所取水施設の整備や点検のためらしかったが、夏山シーズンには見たことが全く無いのでシーズンオフにやることにしているのかもしれない。

 三股駐車場に到着すると予想外に8割くらいが埋まっていてびっくり。しかしこれだけ車があって前常念コースで出会ったのが9人だけということは、大半の車の主は蝶ヶ岳に向かったことになる。これほど人数に差が出るとは思わなかった。

 往路の林道入口で工事のため時間通行止めの看板があり、既に工事期間中で(11/10くらいから来年1月まで)お昼休みまで工事で通行止めかと思ったら、週末は工事はお休みらしく重機は林道路肩に止まったままで工事関係者の姿も無かった。1月まで工事をやっているということはそれまでは林道の冬季通行止めは無い??

 

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